スニーカー比較研究メディア「すにらぼ」では、筆者が自費でスニーカーを購入し、さまざまな項目で徹底的に比較しています。
また、自費で購入しているからこそ、そのモデルの良いところ・悪いところを忖度なくレビューすることができています。
この記事では、その評価する項目や評価方法を紹介します。
\比較したスニーカーランキング/
スニーカーの比較項目
男女1,500名に「スニーカーを選ぶ基準」のアンケートをしたところ、以下のような割合となりました。
長年たくさんのスニーカーを履いてきた筆者の経験からしても、これらは納得できる項目です。
スニーカーを評価する際には、項目別に点数をつけています。
以下から、それぞれの項目の評価方法を説明します。
デザイン
アンケートにより、スニーカーで最も重要視されているのは「デザイン」ということがわかりました。
スニーカーは普段着と合わせて履かれることが多く、ファッションの一部としての役割も果たしています。
デザインに関しては、「オシャレ」または「ダサい」という評価に個人差があるため、筆者の主観的な意見だけでなく、第三者の多数の客観的な意見も大事だと思いました。
そこで、ファッションに興味関心がある男女100〜300名を対象にした「スニーカーのデザインに関するアンケート調査」を行い、各スニーカーを1〜5点で評価をしてもらっています。
例として、ニューバランス996だとオシャレと評価する方が多く、アンケート結果の平均は3.9点になります。
項目 | 点数 | 票数 | 割合 |
---|---|---|---|
オシャレ | 5点 | 51票 | 24.2% |
ややオシャレ | 4点 | 107票 | 50.7% |
普通 | 3点 | 42票 | 19.9% |
ややダサい | 2点 | 10票 | 4.7% |
ダサい | 1点 | 1票 | 0.5% |
平均・合計 | 3.9点 | 211票 | – |
また、アンケートでは、なぜその点数の評価をしたのか理由も教えていただいています。
その回答を確認すると、世間的に知名度が高いスニーカーは「オシャレ」という観点にあることがわかりました。
そこで、アンケートだけでなく、そのスニーカーのSNSでのシェア数もデザインの評価に組み込んでいます。
各スニーカーのInstagramでの#(ハッシュタグ)の投稿数を検索し、多く投稿されているスニーカーほど評価を高くしています。
Instagramは1点満点で評価をし、アンケートの評価に追加して5点満点で評価しています。
また、明らかにランニングシューズのような見た目の場合は、日常履きにしにくいということで、上記の点数から減点しています。
価格
スニーカーの価格は、ブランドやモデルによって大きく変わるため、価格面の比較も重要です。
人気のスニーカー数十足の価格を確認すると、ほとんどが3,000円〜30,000円の範囲内だということがわかりました。
ちなみに、男女400人に「スニーカーにはいくらまで出費できる?」というアンケートをすると平均金額は「13,656円」になっています。
価格の評価は、3,000円以下だと「5点」、30,000円以上だと「1点」という基準で点数をつけています。
例えば以下のように5,280円だと4.7点、17,800円だと2,8点になります。
価格 | 点数 |
---|---|
3,000円以下 | 5点 |
(例) 5,280円の場合 | 4.7点 |
(例) 17,800円の場合 | 2.8点 |
30,000円以上 | 1点 |
価格は公式サイトよりもAmazonや楽天市場の通販サイトの方が安い場合もありますが、あくまで公式サイトの価格を基準にしています。
また、近年はゴムや皮革などの原材料の値上げの影響もあり、スニーカーの価格も毎年変動しています。
なので、毎年価格を確認して点数を更新しています。
クッション性
スニーカーの歩きやすさという観点で非常に大事になのが「ソールのクッション性」。
クッション性は、やわらかければ良いというわけではなく、ほどよく弾力もあるのが理想です。
どのブランドも独自のソール構造を追求しており、「従来のスニーカーの○%の衝撃吸収」、「○%の安定性を向上させたソール構造」など衝撃吸収や安定性の向上などの特徴を宣伝しています。
しかし、実際に履いて歩かないと正確な比較はできません。
そのため、全てのスニーカーを並べて、履いて歩いたり走ったりすることでクッション性を確認しています。
アシックスの研究結果「靴の適合性と機能評価」では、20分間ランニングをすることで身体に作用する靴の衝撃の違いが現れる、とされています。
なので、ウォーキングでも最低でも30分は運動して計測するということもしています。
点数は曖昧につけるのではなく、60足以上のスニーカーを長期間かけて、以下のように一度に調査して比較しています。
- 全てのスニーカーを並べる
- 順番に履きながら優劣順に並べ替える
- 全て並べ替えたら、再度確認して並べ替える(複数回行う)
- 納得できたら小数第一位まで細かく点数付けをしていく
- 全て評価できたら改めて全体の評価を確認する
また、客観的な意見も取り入れたいため、最低3足以上のスニーカーを持っている方を対象にアンケートを定期的にとり、各スニーカーのクッション性の評価もしてもらっています。
これらを総合的に踏まえて、クッション性を5点満点で評価をしています。
横幅の広さ
日本人の足は、海外の人よりも横幅が広い傾向があります。
スニーカー比較研究メディア「すにらぼ」の独自アンケートの結果では、約2人に1人が幅広と自覚をしていることがわかりました。
横幅がせまいと、足が窮屈に感じて疲れやすくなってしまうため、横幅の広さも重視する必要があります。
なお横幅の広さは、筆者が全て同じ27cmサイズのスニーカーを履いてわかったことを主に参考にしています。
筆者の足の大きさは以下の通りです。
横幅の履き心地の評価は、以下のように締め付け感を強く感じるほど低い点数をつけています。
- 締め付け感がない→5点
- 締め付け感が強い→1点
なお、履き心地だけでなく、「タナベ式内寸定規」を使用させていただき、実際に横幅の内寸の長さも測っています。
ただ内寸の長さは、一番広い箇所の長さはわかっても、つま先の細さまでは正確に計測できません。
また、素材によって締め付け具合も変わってきます。
そのため、あくまで履き心地の方をやや重視して評価しています。
重量
長時間スニーカーを履くときに重要な要素となるのがスニーカーの「重量」。
スニーカーが軽ければ軽いほど負担は少なく、逆に重たい靴は足に負担をかけるため疲れやすくなります。
重量を測る時は以下のようにしています。
- すべて27cmのサイズで統一
- 一度も外で履いていない新品の状態の重さ
- 靴紐ありの重さ
人気の数十足のスニーカーを調査すると、ほとんどが220〜500gの範囲内に収まることがわかったので、220g以下は5点、500g以上は1点という採点方式にしています。
耐久性
せっかくスニーカーを買うなら、コスパを考えて長く履けるのが理想ですよね。
耐久性は、以下の2軸で評価しています。
- ソールの硬度(靴底のソールの硬さ)…3点満点
- 素材(キャンバス・合成皮革・天然皮革・スウェード・メッシュ など)…2点満点
スニーカーの替え時というのはソールの削り具合で判断する方も多いので、ソールの硬度の方を3点満点にして少し比重を高くしています。
ソールの硬度は、硬度計を使用して数値化しています。
多くのスニーカーの硬度は、40〜80度の範囲内になるので、その数値を3点満点に換算しています。
スニーカーの素材は、レザー>スウェード>キャンバス>メッシュ>ナイロンという優劣の付け方で、素材によって2点満点で評価をしています。
このように耐久性は、ソールの硬度(3点満点)+素材(2点満点)で5点満点で評価をしてきます。
つま先の柔軟性
スニーカーにおいて、つま先の柔軟性も重要な要素です。
やわらかい素材であれば足に馴染みやすく、ストレスを軽減することができます。
一方、硬い場合は足に負担をかけ、靴擦れの原因になることもあります。
評価は、スニーカーを履いてつま先を曲げたときに、不快感がないものほど点数を高くしています。
- 不快感を感じない→5点
- 不快感や痛みを感じる→1点
なかには、靴底のソールが硬くてつま先が曲がりにくいモデルもありますが、その場合でも不快感が感じない場合は点数を高く評価しています。
また、主観的ではなく、数値に基づいた計測も行っています。
スニーカーを自然に折り曲げて地面から15cmの高さにきた時の、かかとにかかる圧力も計測しています。
この「15cm」というのは、人がスニーカーを履いて自然にかがんだ時の高さが約15cmだったので、その高さを採用しています。
この位置にきた時の反発力の数値を計測しています。
なお、スニーカーはだいたい3~30N(1N=約100gの力量です)の範囲に収まることが多いです。
これらの調査から、総合的に5点満点で評価をしています。
推進力
歩きやすさという点で、ポイントの一つとなるのが「推進力」。
推進力とは、足が地面に着地した際に、自然と足が前へ進む力のことを指します。
スニーカーの中には、ソールが振り子のような形状になっており、重心が前方へ移動しやすくなっているものもあります。
この推進力は外見からは判断することができず、実際に履いて歩いてみなければわかりません。
そのため、60足以上のスニーカーを実際に履き比べ、推進力を感じるものほど5点満点で評価しています。
レビュー評価する上で心がけていること
これまで筆者は数十足のスニーカーをレビュー評価してきました。
その際に特に心がけていることがあるので、以下にて記載いたします。
優劣順に並べた上で点数を決める
点数をつけるときは、全ての商品を並べて比較し、項目ごとにまとめて評価しています。
各商品を個別に評価すると、最初の商品と最後の商品で評価軸がブレる可能性があります。
項目ごとに評価を行うことで、優劣を判断しながらより精度の高い評価が可能となります。
納得のいくまで調査をする
スニーカー比較研究メディア「すにらぼ」では、項目毎に5点満点で評価しており、小数点第一の位まで点数付けをしています。
当初は1〜5点の5段階評価を行う予定でしたが、調査を進めていくと同じ3点でも違いがあると思い、小数点第一位まで入れることで50段階の評価をするようにしました。
評価をつける際には3.3点、3.4点などで細かく評価をすることがありますが、あいまいに評価をするのではなく、0.1点の差の優劣を説明できるように、試着を繰り返して納得のいくまで点数の評価を行っています。
アンケートだけでなく筆者の経験も含めて評価する
スニーカー比較研究メディア「すにらぼ」では、独自のアンケート調査も行っています。
その際に、口コミのアンケート評価だけで点数付けをするのではなく、実際に筆者自身が購入して得た独自の経験ももとに評価するようにしています。
アンケートの回答は非常に参考になりますが、回答者がどのようなスニーカーを他に所有しているかや、何足のスニーカーを所有しているかなどによって評価が変わる可能性があります。
例えば、エアフォース1だけを所有している人はエアフォース1の履き心地を高く評価するかもしれませんが、ニューバランスのスニーカーも所有している人は、エアフォース1の履き心地を高く評価する人は少ないと思います。
このように、第三者の意見だけでは正確にスニーカーを評価できません。
そのため、「すにらぼ」ではアンケートはあくまで参考にして、数十足のスニーカーを調査してしている筆者独自の経験を必ず含めて評価を行っています。
目的別により100点満点で換算
調査した項目別の点数を100点満点で換算し、「総合的におすすめのスニーカー」としてランキング付けをしています。
なお、目的別にスニーカーのランキングをつける場合には、その目的に応じて重視する項目の点数の割合を高く設定しています。
<例>
- 歩きやすいスニーカー→クッション性や重量を重視
- おしゃれなスニーカー→オシャレ度などを重視
- 安いスニーカー→価格を重視
人気のスニーカーは一通り点数化できていいますが、今後はマイナーなスニーカーも中心に定期的に更新していく予定です。